乾癬

乾癬とは

ミドル男性イメージ赤い発疹ができて、その上に白いフケ状のものが生じる慢性疾患です。頭皮の症状、爪の変形、関節炎などを起こすこともあります。感染する病気ではなく、体質的な素因があって、日光、薬剤、ストレス、肥満、糖尿病・脂質異常症、 飲酒・喫煙などの様々な環境因子が関与することで発症すると考えられています。
発疹の形や大きさ、数は様々で、症状によっていくつかのタイプに分けられます。摩擦を生じやすい肘や膝、頭、おしりなどに発疹ができることが多いのですが、他の場所に生じることもあります。
日本における乾癬発症率は約0.1%とされていて、珍しい病気ではありません。

乾癬のタイプ

  • 尋常性乾癬 境目のはっきりした赤みから、かさぶたができるタイプです。
  • 滴状乾癬 小さな赤みとかさぶたが多発するタイプです。
  • 膿疱性乾癬 尋常性乾癬の症状に膿がたまるタイプです。発熱やただれを起こし、入院が必要になることもあります。
  • 関節症性乾癬 尋常性乾癬の症状に加え、指・足・腰に関節痛や関節変形を生じるタイプです。皮膚症状があまり現れないこともあります。
  • 乾癬性紅皮症 皮膚症状が全身に広がって、強い赤みを生じます。

検査

皮膚の一部を採取して(皮膚生検)顕微鏡で確認して診断します(病理診断)。皮膚採取の前に局所麻酔を行いますので、痛みはほとんどありません。

治療

当院では、保険適用される外用療法と内服療法を行っています。改善したり、悪化したりを繰り返すため、症状を抑えて皮膚の良好な状態をできるだけ長く続けられるよう、定期的な皮膚科受診が重要になってきます。当院では食事などの生活指導も併せておこなっております。

外用療法

ステロイド剤やビタミンDの外用剤、 ステロイドとビタミンDの混合剤の処方が乾癬治療の基本となります。広範囲に病変がある場合、ビタミンDの副作用として高カルシウムのリスクがありますので、定期的に血液検査を行って慎重に経過を観察しています。
最近は泡状のドボベットフォーム、シャンプータイプのコムクロなど効果が高く使いやすい製品も増えています。

内服療法

かゆみが強い場合には抗ヒスタミン剤を処方します。また、外用剤では十分な効果が得られない場合や、広範囲に病変がある場合には、アプレミラスト(オテズラの)内服を検討します。リスクや費用などについても十分にお伝えした上で処方しています。

ご紹介できる治療法

光線療法

治療効果のある波長のUVA(紫外線A波)とUVB(紫外線B波)を病変部に照射する治療法です。他の治療と併用しながら、定期的な照射を受けます。ご希望される場合には、連携している医療機関をご紹介して受けていただいています。

生物学的製剤

現在、乾癬治療に有効な生物学的製剤の注射薬が複数登場しています。他の治療で効果のなかった方、関節などに症状のある方には新しい選択肢です。近年は高額療養費制度の利用が可能になり手近になりつつあります。ご希望がある場合には連携している医療機関をご紹介し、必要な検査、導入を行ってからクリニックに戻り1-3ヶ月ごとの通院で治療を続けることが可能です。

日常生活で気をつけること

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