蕁麻疹(じんましん)とは
急性の皮膚炎で、突然皮膚が盛り上がるように赤く腫れてかゆみを生じ、ある程度の時間が経過すると消えてしまいます。ほとんどの場合は24時間以内に消えます。擦れや圧迫を受けやすい場所に生じることが多くなっています。喉の粘膜に起こると呼吸困難を起こすことがありますので注意が必要です。
多くの蕁麻疹は検査を行っても原因が特定できない特発性蕁麻疹ですが、アレルギーや汗・寒さなど特定の刺激によって生じる場合や血管性浮腫などもあります。
症状
突発性蕁麻疹、特定の刺激によって生じる蕁麻疹、血管浮腫に分けられます。
特発性蕁麻疹
突然、皮膚の一部が蚊に刺されたように赤くふくらみ、強いかゆみを生じます。ほとんどは数時間で消えます。毎日のように繰り返し発症します。
特定の刺激により引き起こされる蕁麻疹
物質による刺激によって起こるものと、物理的な刺激によって起こるものに分けられます。
接触蕁麻疹
原因物質に触れた部分に蕁麻疹が出ます。アレルギー性と非アレルギー性に分けられ、アレルギー性は接触後15分程度で症状が現れることが多く、非アレルギー性は少し時間が経ってから症状を起こします。
外来物質によるアレルギー性蕁麻疹
アレルゲンによって生じる蕁麻疹です。アレルゲンに触れてから数分~数時間で皮膚症状を起こします。原因物質との接触がなければ再発しません。
外来物質による非アレルギー性蕁麻疹
青魚、肉類、タケノコ、ほうれん草などを食べて生じることがありますが、同じものを食べても蕁麻疹が出ないこともあります。また、検査で用いる造影剤など薬剤によって生じることもあります。
食物依存性運動誘発性アナフィラキシー
アレルゲンとなる食品を摂取した後で運動することによって生じます。顔や手足の赤みや腫れ、喉の違和感、呼吸困難、血圧低下といったアナフィラキシー症状を起こします。負荷の大きい運動で生じるケースが多いのですが、軽い運動でも起こることがあります。アスピリン製剤によって誘導されやすくなるとされています。
不耐症による蕁麻疹
NSAIDs(消炎鎮痛剤)不耐症やアスピリン蕁麻疹などが含まれます。摂取から数分から半日で症状が現れます。血管浮腫による唇やまぶたの腫れを生じることもあります。
物理性蕁麻疹
機械性蕁麻疹
擦れたり圧迫されたりといった機械的な刺激によって生じる蕁麻疹です。
寒冷蕁麻疹
冷たい空気や水にさらされた後で生じる蕁麻疹です。
温熱蕁麻疹
温かくなった部分に生じる蕁麻疹です。
日光蕁麻疹
日光にさらされ、15分程度してから現れる蕁麻疹です。
水蕁麻疹
かなりまれに生じます。水と接触し、数分してから生じる蕁麻疹です。
コリン性蕁麻疹
汗をかくと発症することが多く、夏に悪化しやすい傾向があります。神経伝達物質のアセチルコリンが関与しています。発汗以外に疲労やストレスによって生じることがあります。
血管浮腫
突然、唇やまぶた、頬などにむくみを生じます。むくみが喉に生じると呼吸困難になることもあり、注意が必要です。熱感、かゆみ、食欲低下、頭痛、胃腸症状などを起こすこともあります。数時間から数日間で解消することが多いのですが、症状が長く続いてしまうこともあります。
治療
症状に合わせて抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬などの内服薬を処方します。なお、アナフィラキシー症状がある場合には、早急にステロイド剤やアドレナリンの注射が必要になることもあります。指示をまもり症状がよくなるまで治療を続けましょう。
また体調も影響しますのでよく寝てしっかり休養を取りましょう。
重症の方には、生物学的製剤の注射を行っております。(ゾレアなど)
※ゾレア注射は土曜日にはできませんのでご注意ください。
※ゾレア注射は予約後にお取り寄せしております。まずは院長とご相談ください。